インドの伝統的医学では肥満の治療にサラシアという植物が使われてきました。
サラシアはインドやスリランカに広く自生する植物でニシキギ科のツル性植物です。
最近このサラシアに含まれるサラシノールという物質が食後の血糖値の上昇を抑えるという効果があるとしてサラシアを前面に押し出したサプリメントが続々と発売されています。
まずは、サラシアの効果について検証していきたいと思います。
サラシアを理解するためにはまず糖について知らなければ
血糖は血液に含まれる糖分のことです。
血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。
ブドウ糖は炭水化物が消化酵素によって分解された最終的な形です。
それ以上分解されない最小の糖の単位を単糖と言います。
代表的な単糖にはブドウ糖や果糖があります。
この単糖が二つくっついたものを二糖と言います。
代表的な二糖にはショ糖(砂糖)、乳糖、麦芽糖などがあります。
単糖が3~10個つながったものがオリゴ糖です。
単糖や二糖は強い甘味を持ちます。またオリゴ糖もそれに次ぐ甘みを持ちますが多糖類
になると甘みはあまりありません。
ご飯をよく噛むと甘みが出るというのは多糖類が消化酵素で加水分解され甘みを持つ糖に変わるからです。
それ以上単糖がつながったものが多糖類といいデンプンやグリコーゲン、セルロースがそれに当たり
ます。
食物により体内に取り込まれたデンプンなどの炭水化物は消化酵素によって加水分解され分子のつながりがどんどん切れていきます。
そして二糖にまで小さくなりますがまだ吸収はされません。
ここで小腸粘膜上皮細胞の刷子縁に存在する二糖類分解酵素α-グルコシダーゼによって二糖が単糖に分解されて初めて小腸から吸収されるのです。
糖尿病の治療薬にはこの酵素α-グルコシダーゼの役割を阻害して二糖を分解させずそのまま便に排出させる薬があります。
糖は二糖のままだと小腸から吸収できないのです。
サラシアに含まれるサラシノールにはこのα-グルコシダーゼを阻害する効果が認められています。
サプリメントには特定保健用食品と機能性表示食品があります。
特定保健用食品(トクホ)は国がその効果を認めた関与成分が使われています。
血糖値関係で特定保健用食品の関与成分と認められているのは以下のものだけです。
グァバ葉ポリフェノール
小麦アルブミン
難消化性デキストリン
難消化性デキストリン(食物繊維)
豆鼓エキス
L-アラビノース
*関与成分は年々認可されるので現時点ではその他にも増えている可能性があります。
残念ながらサラシア由来の成分サラシノールはまだ関与成分とは認められていません。
ただし富士フィルムが機能性表示食品としての届け出をしています。
機能性表示食品とは企業がその効果、安全性に完全な責任をつことで届け出が承認されればその旨を表示できる食品です。
特定保健用食品は国がその安全性、効果に責任を負います。
よって、特定保健用食品>機能性表示食品の感じは否めません。
最近、小林製薬の同じくサラシア由来のネオコタラノールという成分が特定保健用食品の関与成分として認められました。
ネオコタラノールはサラシア属植物のサラシア・キネンシスの幹に含まれる成分を抽出したものでこれは小林製薬の特許成分となっています。
特許成分ということは特定保健用食品関与成分になっても他社で特定保健用食品として使うことは難しいと言えます。
富士フィルムはサラシア由来のサラシノールを機能成分として「メタバリアスリム」という名前でサプリメントを販売しています。
一方小林製薬はサラシア由来のネオコタラノールを関与成分として「サラシア100」の名前で販売しています。
レビューとして「メタバリアスリム」はダイエットを前面に押し出して販売しているだけに効果がないという意見をよく目にします。
しかしダイエットサプリ全般に言えることですがサプリを飲むことによってそれだけに頼ってしまうまたは、飲む前以上に不摂生をしてしまうということがありがちです。
また、サプリに限らずほとんどのダイエット法については自分の努力のなさを棚に上げてその効果を批判する傾向があります。
しかし、食後の血糖値上昇の緩和に関しては効果は疑いようがありません。
ネットでよく見る「メタバリアは効かない」「サラシア100の効果に疑問」などという見出しは血糖値に関しては当てはまりません。
「メタバリアスリム」は血糖値の上昇を抑える機能性関与成分としてサラシノールを届け出ていますし小林製薬は同じ作用の特定保健用食品の関与成分としてネオコタラノールの認定を受けています。
どちらもおススメできるサプリメントとして当サイトは推奨します。
しかし本当に推奨したいのはこれです。