ある朝仕事にかかる前、トイレでおしっこをしたら真っ赤な尿が出ました。
糖尿病の合併症としての血尿
糖尿病の三大合併症として糖尿病性人証があります。
糖尿病の合併症はほとんどが高血糖による毛細血管の劣化によるものです。
もし血尿が出て自分が糖尿病であったなら糖尿病性腎症を疑うべきでしょう。
血尿→腎症→腎不全→透析
頭の中ですぐ展開が思い浮かび一瞬で頭から血の気が引きました。
尿は真っ赤でしたが顔は真っ青になり、慌ててネット検索をして血尿を調べてみました。
血尿で検索すると安心できる情報は全くなく深刻なことばかりがヒットします。
特に「膀胱がんの特徴として血尿があります。」
尿路結石は経験したことがあるので、全く痛みがないことから違う事は想像できました。
あるサイトでは、男性で尿検査の結果血尿が陽性になるのが4%、そのうち精密検査で原因が特定されるのが30%~40%、さらにその3%~4%にがんが見つかると書いてありました。
がんは、腎臓、膀胱、前立腺など様々です。
尿検査で陽性になるという事は潜血という事ですね。自分で見てもわからないのですから。
私の場合は、真っ赤に便槽が染まるほどの血液です。
がんとすればかなり進行しているはずです。
即、妻に全て話しもしかしたら帰れないかもしれないと言い残し私立病院へ向かいました。
病院では初診なのでかなり待たされました。別に苦しいというわけでもなく、痛いところもないので血尿が出たといっても救急扱いはしてくれません。
ただ、心臓はバクバク胃はシクシク。そっちの方が苦しいぐらいです。
やがて名前を呼ばれて看護師さんの予診で採尿を命じられました。
トイレに行って紙コップに尿を取りました。
やはり真っ赤な尿というよりはほぼ血液の様な感じです。
緊張してたので待ち時間にたっぷりとポカリスエットを飲んでいましたから尿はコップに必要なだけ出しても止まりません。
続けて便器の方へ放尿していました。すると血尿がだんだん薄くなりまったくの透明になっています。
まあそんなもんなんだ。と深く考えずに採尿カップをトイレの窓口へ置きまた、待合所で待っていましたがじきにレントゲン検査をするように言われレントゲン室へ行き撮影しました。
結果が出るまでに尿意を催したのでまたトイレに行きました。
もしかして血尿は治まっているかもと、淡い期待で放尿しましたがやはり真っ赤な血尿しかしまたしばらくすると透明な尿に代わりました。
そうこうしている間に診察室へ呼ばれ先生と対面し、さっき撮ったレントゲンを前に診察です。
単純撮影ですが結石は全くありませんね。血尿は今日が初めてですか?
私は今日朝からあったことを全て話し、血尿が出たのは初めてであることを伝えました。
そしてさっき、気が付いた放尿中に血尿が透明に変わることを話すと先生の顔つきが急に変わりました。
「悪いことなのかな?」と詳しく聞こうとしたとき
「明日、CTを取ってみましょう」
といわれ、「はい」と仕方なく礼を言って診察室を出ました。
心配であまり寝られない夜を過ごし翌日、再び病院へ。しかし実は翌日には血尿は治まっていたのです。
今回は予約があるので、すぐに呼ばれCTスキャンを受け待つこと30分。
診察室に呼ばれ入ると先生はこちらの心配顔を見抜いてかすぐに「心配いりませんよ」と一言。
「今も血尿は出ていますか?」と聞かれ「もう治まっています」と答えると先生は納得したようにレントゲンを指さしながら説明してくれました。
「あなたの血尿は泌尿器から出血したものではなありません」「精液の通る管が石灰化しています」といってレントゲンの膀胱の下あたりに白くなった線を指さしました。現在糖尿病はありませんか?」
と聞かれたので「今はHba1cが6を切っていますが糖尿病です」と答えました。
「この病気の90%は糖尿病の方なんです。この石灰化した輸精管は弾力がないので激しい運動や刺激で容易に出血します。でも悪性ではないで心配いりません。」
ということでした。
糖尿病の合併症というよりも「輸精管の石灰化」の患者にに糖尿病が多いと考えるべきでしょう。
しかし、ということでも糖尿病が影響していることは否めません。
あと、「輸精管の石灰化」は加齢が原因でるともいわれています。
とにかく糖尿病性腎症でないという診断で透析という忌み嫌う展開にならずに済んだことに命拾いした気持ちでした。