関西電力医学研究所の研究グループが2015年12月24日発行の欧州糖尿病学会機関誌「Diabetologia」に報告した研究結果は糖尿病患者およびその予備軍の人々にとって大変興味深いものでした。
これまでにも食事の順番を野菜を先に食べてからご飯を食べることによって食後の血糖値の上昇を抑えられることは研究で広く知られていました。
これは食物繊維が糖や脂肪の小腸での吸収を邪魔する事によって血糖値の上昇を抑えられるからです。
最新の研究では野菜ではなく肉や魚を先に食べてからご飯を食べても血糖値の上昇が抑えられることが分かったのです。
ご飯より先に肉や魚を食べることによってインスリンの分泌を促す「インクレチン」というホルモンが多く分泌されるようになり
また、胃で分解された食物が小腸に運ばれて吸収されるまでの時間が延長し
その結果食後4時間の血糖値の上昇や血糖値の日内変動が抑えられることが分かったのです。
また、「肉→ご飯」と「魚→ご飯」では肉を食べてご飯を食べる方がより血糖値の上昇を抑えられることがわかりました。
理想的な食事の順番としては
野菜→肉、魚→ご飯
という順番が最も血糖値を上昇させない食べ方だということが科学的にも証明されたのです。
ちなみに日本の会席料理を見てみると
1.先付(さきづけ) ・・・ 前菜
2.椀物(わんもの) ・・・ 吸い物、煮物
3.向付(むこうづけ) ・・・ 刺身
4.鉢肴(はちざかな) ・・・ 焼き物
5.強肴(しいざかな) ・・・ 炊き合せ等
6.止め肴 ・・・ 原則として酢肴(酢の物)、または和え物
7.食事 ・・・ ご飯・止め椀(味噌汁)・香の物(漬物)
8.水菓子 ・・・果物
と、野菜→肉、魚→ご飯 とちゃんと成立していることがわかります。
日本食のヘルシーさが再確認できるのです。
糖尿病食事療法の新説
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