糖尿病の治療や予防に一役買ってくれる食品を調べてみました
コーヒー |
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持つ上に抗炎症作用もあります。またコーヒーに含まれるカフェインは血管内皮の修復を促し、脂肪燃焼作用もあります。 コーヒーを一日3~4杯飲む人は殆ど飲まない人に比べて糖尿病リスクが男性で17%女性で38%も減少することが分かっています。これは、紅茶やウーロン茶には見られない作用です。 最近ではコーヒーはⅡ型糖尿病を予防する効果があると世界各国で研究報告がなされています。。 また、コーヒーには抗ストレス効果がありストレスによる血糖値の上昇も抑える効果があるのです。 |
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玄米 |
米国の調査では玄米をよく食べる人は糖尿病発症リスクが36%も低かったという報告があります。 玄米の特徴としてはまずは食物繊維が豊富であるということで食物繊維により糖質の消化吸収が緩やかになるのは周知の事実です。 また最近では玄米に含まれる「ガンマ・オリザノール」は膵臓のβ細胞に働きかけインスリンの分泌を促進することが分かっています。 さらに「ガンマ・オリザノール」は抗ストレス作用があり不安感などによるストレスで血糖値が上がることを抑制します。 ストレスは意外に血糖値をあげる大きな原因となっているのです。 |
酢 |
酢には代謝を促進するという効果があります。 酢を毎日15gを12週間飲み続けると内臓脂肪が減少し、腹囲が減少するという研究報告もあります。 代謝が促進するということは糖の消費が増大するということになり、その分血糖値も低く抑えられるのです。 酢の成分である酢酸は胃から小腸への食物の穏やかにするために、小腸での糖の消化吸収がゆっくりとなり血糖値の急上昇を防ぐことができます。 また、炭水化物をブドウ糖に分解する酵素の働きを抑制する働きがあるため血糖値の上昇を抑制できます。 さらに、酢酸は肝臓からブドウ糖を放出するの抑制する仕組みも解明されているのです。 |
海草 |
1019年新潟大学大学院医歯学総合研究所においてカネリョウ㈱と和洋女子大学家政学部健康栄養学科の多賀昌樹准教授の共同研究として「メカブの食後血糖値抑制作用について」という学術論文を発表しました。メカブなどに含まれるフコイダンの食後血糖値抑制作用は多く報告されています。 研究報告ではメカブの食前生食によって食後血糖値の上昇カーブは緩やかになるばかりか糖の吸収総量も低く抑えられることが分かりました。 メカブの親、ワカメ自体にも食後血糖値抑制効果があることが研究によりわかっています。 ワカメ、昆布、ヒジキなどの海藻類は水溶性食物繊維が豊富で水溶性食物繊維は腸内細菌のエサになり腸内細菌を増やす効果があります。食べ物が腸に触れると腸に膵臓のβ細胞に指令を出しインスリンを分泌させます。腸内細菌が多いほどその指令はより強く膵臓のβ細胞に届くようになっているのです。 しかも海藻類はノンカロリーであり、ミネラルが豊富に含まれていますので糖尿病食としては最適の食材になるでしょう。 |
キノコ類 |
キノコに含まれる豊富な食物繊維は糖質の吸収を穏やかにしてくれるので血糖値の急激な上昇を防いでくれます。 またブナピーとブナシメジにはインスリンの分泌を促進する作用があり、血糖値を下げる作用があります。 キノコ類にはほとんど糖質が含まれないので大量に食べることができ、満腹感を得やすい食材です。 しかし、調理の仕方によっては高カロリーになってしまうこともありますので注意が必要ですが、キノコ自体にうま味成分が含まれていますので大量の調味料を使用するということもないでしょう。 |
かぼちゃ |
かぼちゃの特徴としては、βカロテンが豊富に含まれていることです。 スタンホード大学医学部の研究では血液中のβカロテンの濃度が高い人ほど糖尿病患者の割合いが少なく、逆に濃度が低い人ほど糖尿病患者の割合が多いことが報告されています。 また、かぼちゃには食物繊維が多く含まれますので食後の糖の吸収を穏やかにしてくれますが、かぼちゃ自体に糖質が含まれますので大量に摂ることは控えなければなりません。 |
ごぼう |
ごぼうには水溶性食物繊維のイヌリンが豊富に含まれます。イヌリンは腸内細菌の大好物で100%腸内細菌のエサになります。つまり腸内細菌の増殖にはもってこいの食材といえます。腸内細菌が増えると腸の膵臓のβ細胞にインスリンを出せという指令を出すスイッチが入りやすくなります。 ただし、ごぼうには意外ですがサツマイモの三分の一ほどの糖質がありますので摂取量に注意が必要です。 |
ブロッコリ |
スウェーデンノイェーテボリ大学とルンド大学糖尿病センターの共同研究で ブロッコリー、特に新芽であるブロッコリ―スプラウトに多く含まれるスルフォラファンには血糖値をコントロールする作用があることが分かりました。 また、スルフォラファンにはインスリン抵抗性を改善する作用があることもわかっています。 そもそもスルフォラファンにはがん幹細胞を死滅させ新たな腫瘍の発生を抑制することで注目を浴び、乳がん細胞を65~80%減少させガンを縮小させた研究結果が報告されています。 ブロッコリは低カロリーでタンパク質が多く食物繊維も豊富です。また、200以上のファイトケミカル(植物自体が有害物質から個体を守るために作り出した成分)を含み血管を健康に保つことから糖尿病のほとんどの合併症に良い作用をもたらす万能野菜なのです。 |
しょうが |
近中四農研、特産作物部、成分利用研究室のマウスによる実験でしょうがの辛み成分6-ジンゲロール脂肪細胞の分化を促進し、細胞のインスリンに対する感受性を促進させ、結果血糖値を下げるという結果を得たと発表しました。 ヒトでの効果についても研究していると言います。 また、イランの医科大学の研究チームが10年以上Ⅱ型糖尿病を患っている患者88人を血糖値が平均で172mg/dlと高いグループと平均で136mg/dl と比較的低い2グループに分け、血糖値が高いグループにしょうがパウダー入ったのカプセルを血糖値の低いグループにしょうがの入ってないカプセルを1日3回8週間投与しました。 その結果。血糖値の高いグループも低いグループもどちらのグループも平均150mg/dlになったそうです。 私なりの考察では血糖値を下げるカプセルと思い込んで、しょうがの入っていないカプセルを飲んだプラセボ群はその安心感で食生活が変わり血糖値が上がったのに対し本当にしょうがが入っているカプセルを飲んだグループも食生活が変わったっであろうにもかかわらず血糖値は下がったということでしょう。ということは数字以上にしょうがの効果は大きいようです。 |
アカシア樹皮抽出物など ? プロアントシアニジン |
アカシアの樹皮やシナモン、ブドウの種などに含まれるプロアントシアニジンは強力な抗酸化作用を持ち血管内皮機能を改善し血流を増すことで糖尿病の合併症の根本原因である抹消血管障害を防ぐことが分かっています。しかし、食品とは言い難く摂取するにはサプリメントという形にならざるを得ないでしょう。 |
ナッツ類 |
マッツ類にはオメガ3脂肪酸が多く含まれコレステロールや中性脂肪のの値を下げ動脈硬化を防いでくれます。糖尿病の合併症全般に有意に働きます。 ナッツ類を多く食べる人のⅡ型糖尿病の発症リスクが33%少なくなるという報告もあります。 |
いくら、糖尿病に良い食材だからといって、単食、そればっかり食べるというのは思わぬ弊害を生みます。
青魚がいいからとそればっかり食べていると、海洋汚染の結果青魚に含まれる重金属が人体に蓄積されるという報告もあります。
昔から食事は30品目の食材を使うことが推奨されています。
糖尿病だからといって食べてはいけないものはないのです。
糖質を制限すればできるだけ多くの食材で調理した食事をすることで、血糖値のコントロールも容易になってくるのだと思います。
青魚がいいからとそればっかり食べていると、海洋汚染の結果青魚に含まれる重金属が人体に蓄積されるという報告もあります。
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糖尿病だからといって食べてはいけないものはないのです。
糖質を制限すればできるだけ多くの食材で調理した食事をすることで、血糖値のコントロールも容易になってくるのだと思います。