糖尿病の運動療法

糖尿病に筋肉トレ―ニングは必要か

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筋トレで血糖値は下がるか


筋肉トレではほとんど糖を消費しません。
筋トレはいわゆる無酸素運動と呼ばれ筋肉中に蓄えられたエネルギーを使い短時間に強い力で筋肉を動かす運動だからです。
確かにエネルギーが無くなれば血中の糖を消費してエネルギーを作らなければなりません。
しかし、筋トレの時間程度では筋肉中のエネルギーで足りてしまって糖を消費するまでいかないのです。
それに対して有酸素運動は継続してい比較的緩い力で長時間運動しますので筋肉中のエネルギーはすぐに使い切ってしまいます。
そして、糖をエネルギーに変換して消費していくのです。
当然、血糖値は筋トレに比べて格段に下がります。

有酸素運動で筋肉量は増えない

一日6000歩~8000歩、歩くことで筋肉量は維持できます。つまり筋肉は減りません。
有酸素運動は筋肉を増やしはしませんが減るのを防ぐことができます。
糖尿病になる人はおおむねもともと筋肉量が少ない方が多いです。
筋肉量が少ないと同じカロリーを消費するのにも長く運動しなければいけません。

筋肉が多いと少ない有酸素運動でも多くの糖が消費できる

筋肉量が増えると同じ運動をしても筋肉が多い分消費カロリーは増えます。
しかし筋肉を増やすのには筋トレが不可欠です。
つまり、高血糖の改善には有酸素運動と筋トレの両方が必要なのです。
同じ筋トレをするにもできれば効率的な運動をしたいものです。せっかく苦しい思いをしてトレーニングしたのにほとんど成果が上がってないということもあります。

筋トレは下半身を中心に行なう

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筋トレというと横になって体を起こす腹筋運動をまず思い浮かべる人が多いのではないかと思います。
最近ではシックスパッドなどEMSで楽をして腹筋を鍛えるというTVCMも盛んに放映されています。

でも同じ鍛えるなら太くて鍛えがいのある筋肉を鍛えた方が効果的です。
筋肉の標準的な体積で順位をつけるなら指などの小さな筋肉を除いて腹筋は骨格筋としては一番少ない方に位置します。
よく6つに割れた腹筋が代表的ですがこれは腹直筋といい横にある腹斜筋と合わせてもふくらはぎの腓腹筋よりも体積の少ない筋肉なのです。

もともと小さい筋肉を鍛えても効果は知れています。
人体で最も大きい筋肉は太腿とおしりにあります。

筋肉全体に占める筋肉の割合ランキング

第1位 大腿四頭筋 25%  太腿の前の筋肉です
第2位 下腿三頭筋 12%     ふくらはぎの筋肉です
第3位 大殿筋   11%    おしりの筋肉です
他 下腿3頭筋含め下半身の筋肉で筋肉全体の52%を占めます。 

これに比べ腹筋群で約4%未満です。
腹筋を鍛えることのむなしさがお分かりになられると思います。

筋肉量を増やす事は筋肉を破壊することと同じ。

筋肉は筋トレによってどのように増えるのかを考えてみましょう。
筋トレは普通、筋肉に抵抗をかけて反復した運動をします。

それによって筋肉繊維がダメージを受けます。
もっと言うと筋肉繊維が破壊されます。
でも驚かないでください。破壊されると言っても数十本~数百本ほどです。
筋肉繊維は一本が髪の毛ほどの太さで直径5cmほどの筋肉で約70万本もあります。
そのうちの数十本からひどい時で数百本程度ですから負傷とは言えない程度なのです。
その破壊された筋肉繊維が炎症をを起こすことで筋肉痛が起きます。
その後筋肉を休息させ十分に栄養を摂ることで筋肉繊維は再生され前より太くなります。
それを繰り返すことによって筋肉繊維の一本一本が太くなり筋肉が肥大します。

糖尿病患者の筋トレの方法

糖尿病患者さんはすでに合併症を併発している人も多いでしょうし高血圧の方も多いでしょう。過激な筋トレは血圧を上げてしまい不測の事態を起こしかねません。しかし、筋肉は高齢者でもトレーニングで肥大することが確認されていますので、自分に合った強度を探ることが大切です。
どの筋肉を鍛えるのか、目的は何なのかを考える時まずやるべき筋トレはスクワットでしょう。下半身の大きな筋肉を一度に鍛えられる最も確実案運動でしょう。
実際のやり方は下の動画を参考にしてください。


血圧の高い人は特に力を入れるところで息を止めないことが重要です。息を止めると血圧はさらに上がります。

筋肉肥大を目的の筋トレはどのぐらいすればいいのか

目的は筋肉の肥大です。
つまり、筋繊維が破壊されなければ筋肉の肥大は起こりません。
筋繊維が破壊されない運動でも筋力は付きますが糖尿病には関係ありません。
筋トレにはRM(最大反復数)という数字があります。
たとえばバーベルを持ち上げることを負荷としてRM1はそのバーベルを1回だけなら持ち上げられる負荷を言います。
たとえば10回持ち上げるのが限界ならその負荷はRM10になります。
筋肉肥大を起こすにはRM15以下の負荷が必要だと言われています。
スクワットの利点は自重を使えるところです。

まずは、15回を目標にやってみてください。
15回出来ない人はRM15以下ですのでそれで十分効果が上がっています。
1~2日後に筋肉痛がおきることでしょう。
30回でも50回でもへっちゃらという方は負荷を増やさなければなりません。
ダンベルなどを持ってスクワットするのが一般的ですが両手がふさがるとバランスを崩した時にけがの元になりかねません。
できればリュックサックに本など入れて背負ってやってみてください。
とにかく15回が限界という負荷をかけなければ目的の筋肥大は起こりません。

筋トレは週2回で十分

RM15以下の負荷をかけると筋肉痛が起こります。
つまり筋繊維が破壊されています。

筋繊維が修復されるまでには48時間~72時間かかります。
実際の期間は筋肉痛を目安にするといいでしょう。
筋繊維が修復される前に次の筋トレを始めるとかえって筋肉の萎縮を招いてしまいます。
ですからその期間は有酸素運動の日にするとバランスが取れて基礎代謝は上がり血糖値が下がりHba1cも目に見えて下がること請け合いです。

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